こんにちは! テトルの本村拓人です!

本日は前号に引き続き株式会社MAQの山阪氏のインタビュー(後編)をお送りいたします。
儲けないことを美徳とする考えは古い。 継続と繁栄の為にはやはりビジネスとして事業化することが大切と氏は唱える。

また、見せ方にこだわりを持つ事でビジネスパートナーとがっちり手を組む手法は現在の非営利業界においてよき方法論となるのではなかろうか。私はそう感じた。

以前から気になっていたのですが、通常業務の中でどの程度このプロジェクトにお時間を注がれているんですか? 

半分くらいの時もあるのですが、そうしますと、本業の方に支障が出ますので3分の1とか4分の1くらいでしょうかね。あとは休日を使って企画書を作成したり、ゴミ拾いの現場に行ったりしています。

土日までも使って動いている山阪さんですが、そもそも、このプロジェクトの本質的なやりがいとは?  

やり始めたので失敗できないという使命感はあります。それだけではなく、自分たちで考えたものを世の中に提案できて、プロジェクトの反響も生の声となって自分たちに返ってきて、さらに、それが営利を生むという仕組みが非常に面白いですね。

たぶんこれは我々の活動だけではなくて、あらゆるビジネスに関わっている人たちが何か新商品を開発して、事業部を立ち上げるという(勿論企業内でもよいですよ)プロジェクトが始まって、実際に店頭販売もプロモーションもやって、土日も出て、店頭の手伝いもして販売する感覚と似ているんだと思います。

確かに世の中にいいことをしたいという気持ちはあるんですが、どうやったらビジネスになるのか、そっちの興味の方が大きいですね。また、ビジネスソースを探してアンテナを立てている方々とパートナーを組むためには、「こことビジネスしたらおもしろいな」と感じてもらうためのセンスはやはり必要です。だから見せ方には非常に注力しています。

見せ方というのは本当に重要だとおもいます。非営利であれ、ボランティアであれ、世の中に良い事をしているんだったら、やはりかっこよくやっていくことも重要ですね。

日本のエコ産業は儲かっていると思うんですが、ボランティアの分野でもお金が稼げるようになったらもっといいですよね。こういう社会貢献に関するビジネスというのは、儲からないというのが定説ですが「これメチャクチャ儲かりますよ」ということになれば、いろんな企業が参入して、ものすごく良い国になるとおもうんです。儲けないのが美徳という考え方を早く捨てた方がいい。「ものすごく儲かるのに、なんでみんなやらないの?」なんてことになったらコレはもう素晴らしいですよね。

そういった意味での使命感みたいなのもありますか?

偽善的に言うとそういう気持ちはあるかもしれませんね。(笑) ただ、本音を言うと、やはりこれはビジネスですから、誰にも負けないようにまずはこの競争に勝たなければなりません。まだビジネスとしてみなさんが気がついてないのであればどうにかしてビジネスとして成り立つということ、また、メチャクチャ儲けられるんだということを実証したいですね。

競争があるところに参入するのはやはり勇気がいります。だから、ニッチなこのデザインゴミ袋ビジネスに魅力を見い出したのも、必然的なことかも知れません。
つい最近、あるゴミ袋製造の業者さんとお話をする機会があって、話を聞いているとゴミ袋業界で長年働かれている方々というのは「御社はいくらで入れてくれるんですか?」とか「同じ厚みでどれだけ安くできますか?」といった要するに仕様と価格が重要視されます。

このような体質で長年やってきたので、我々のやっているプロジェクトを見てびっくりしていました。デザインで売るという手法は、我々の業界では当然の事ですが、ゴミ袋の業界ではそのような発想自体がなかった。そう考えるとデザインという付加価値を「価値」の中に入れていない分野を探せば、未開拓の市場はあるのではないかと思います。

ただ、長年ゴミ袋の市場の中にデザインという付加価値を取り入れない現状というのは、デザインが入り込めないのか、はたまた、ゴミというのは捨てるものなので取り入れる必要がないのかということですね。どちらかというと入り込む余地がないと考えられていたんですね。

それが現状の課題にもなっているということですよね?

我々のゴミ袋が、全国どこでも使えるかと言うとそうではありません。実際には使えないエリアもあります。自治体にはそれぞれ規制がありますから。でもそれは、ただ単に、自治体が決めたルールだから駄目だということなんです。

自治体からの許可がでればいいわけです。要するにルールが変われば使えるようになるわけですから、もっとチャンスは増えます。ゴミの回収費用をゴミ袋の費用にオンして販売している自治体が多いと思うのですが、有料化前と有料化後で、同じようなゴミ袋でよいとは思わないんですね。

勿論一市民としての視点ですが、○○市指定ゴミ袋と書いてあれば、市民は高くても納得しているのでしょうか?ゴミ行政のことは良く分りませんし、モノを申せる立場でもありませんが、せっかく有料化するのであれば、絶対楽しい方がいいと思います。

住民の人がこれだったら納得できるというゴミ袋を提供する義務が自治体にはあると思います。現在我々は、全国の自治体宛にゴミ置き場をアートにしよう!という内容のメールをお送りしています。反応はほとんどありませんが、中には興味を持ってくださる方もいらっしゃいますので、できるだけ多くの人に知っていただくためにもこのような活動は非常に重要だと思います。
たった一度でも我々のウェブを見ていただければ印象には残るはずですから。このゲリラ的なプロモーションも継続して実施しています。

自治体を巻き込んでいくことによって、地域活性化にもつながりますよね? 山阪さんの次なるビジョンを教えて下さい。

ゴミ置き場をアートにするプロジェクトとしては、商店街へのアプローチを考えています。どこの商店街でもシャッターが閉まっている時間帯にゴミが山積みになっている印象がありますが、ゴミ袋やゴミ置き場がきれいだと、よい印象の商店街になると思います。ですから、商店街でオリジナルマスコットを開発したり、着ぐるみなどを作るのも自由ですが、商店街のPR予算をゴミ袋に使うという選択もあるはずです。

ゴミ袋のデザインやカラーで、エリアの個性やオリジナリティが出せますから、商店街のアイデンティティを簡単に発揮できると思っています。どこかの商店街でやっていただけないかと、どんどん打診していきたいと考えています。
また、学生とのコネクションも現在作っている段階ですが、そのコネクションをうまく発展させて、学園祭でのゴミ袋の使用を促しています。昨年、試作品段階で使用頂いた大学がありましたが、数が少なくあまり効果が得られませんでした。

その反省も踏まえ、全面的に協力できればと思っています。どこか名乗りを上げてくれないか、いまも募集していますので、読者の中に学園祭の実行委員の方がいらっしゃったら、気軽に声をかけてください。もちろん無料。これは、ぜったい大学のイメージアップに繋がると思います。

また自治体はハードルが高いので、町内会レベルでならという思いもあります。その街に住んでいる市民の方々にゴミ袋を配っておいて、みなさんにゴミの日に出してもらう。これはそもそもの狙いでもあるのですが、日によって違う顔のアートが街角に出現する。

我々が提案しているのは単純な袋ですから、普段の生活で出るゴミをこの袋にゴミを入れて、ゴミ置き場に置くだけでアートになるという、いわば「住民参加型のインスタレーション」というわけです。
アーティストの個性がアートをつくるという既製の概念ではなく、みんながアーティストになるという発想。地域商店街もしかり、学園祭もしかり、お花見なんかでもこの発想をベースにこれからビジネス提案していけると考えています。

一般市民がアーティストになれるということですし、またこのコンセプト自体がビジネスモデルになっていますよね。

そうですね。ビジネスモデルという意味で言うと物を売るというよりは、モノじゃなくてモノの先にある何か幸せな気持ちとか、極端に言ってしまえば、毎朝ゴミを出しに行くのが楽しくなる、行動のパターンが変わるというところが、やはりビジネスモデルになるのではないかと考えています。ただ現状はまだまだです。ビジネスという視点で考えると、純粋にゴミ袋をデザインして生産して売るということだけなのですから(笑)。

ビジネスとしてのこのプロジェクトの最大の魅力とは?

一度認められて、市民のみなさんが我々のゴミ袋を使いはじめたら延々とビジネスになるところですね。単価が安くても、エリアの大小関わらずゴミは出すわけですからね。

読者へのメッセージをお願いいたします。

通常の会社の業務の傍ら、GARBAGE BAG ART WORKというプロジェクトを立ち上げて、わずか1年でここまで支持を得られるようになったのは、とにかく行動に起してきたからだと思います。例えば、興味がある人がいたらとにかくメールを送ってみるとか、アプローチをかけてみることは重要だと思います。
実際会うところまでこぎつけるといろいろと発展したりするんですね。メールを送ることがすべてではないのですが、何かしたかったら、まずは考えずにやってみるという姿勢は必要ではないでしょうか。デスクで朗報を待っていても、何もはじまりませんからね。

 

 

山阪氏のインタビューは以上になります。

次回はいよいよ島興しプロジェクトの発起人、尾野寛明氏の取材をお送りいたします。
島根県を舞台に現在繰り広げられている地域活性運動。その仕掛人、尾野氏にせまる。

みなさま、お見逃しなく!!


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Profile
Interviewie photo

株式会社マック 取締役
東京本部長
クリエイティブディレクター

山阪佳彦 Yoshihiko Yamasaka

1961年大阪生まれ。

1984年、広告制作会社である(株)マック大阪本部に入社。 コピーライターとして、多くの広告制作、キャンペーン制作に携わる。

1996年より同社取締役、2003年より同社 東京本部長。 東京コピーライターズクラブ会員。 TCC新人賞、広告電通賞、日本雑誌広告賞、朝日広告賞など多数受賞。

2006年、GARBAGE BAG ART WORK「ゴミ置き場をアートにするプロジェクト」を 社内に立ち上げ、活動をスタート。 ゴミ拾いなどのボランティア活動等を支援しながら 新たなビジネスへの足がかりを模索中。

詳しくは→ 

【ゴミ置き場をアートにするプロジェクト】
【株式会社マック】http://www.maq.co.jp/tokyo/

Editor’s profile

本村拓人(もとむら たくと)

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