こんにちは! テトルの本村拓人です!

読者の皆様へ先ほど配信させていただいた弊社のメールマガジンに関するお詫びを申し上げます。当方の不手際により、メールマガジンのタイトルを『test』と表記したまま、送信してしまいました。

[誤]
test

[正]
移動の概念を無料にしてしまいたい

誠に申し訳御座いませんでした。



今回は前回に引き、尾野寛明氏のインタビュー(後編)をお送りいたします。

いよいよ新たなフェーズに向かおうとする氏が目指す社会変革こそ「移動の概念を無料にする」こと。ソフトバンクの孫正義氏が長年夢見た携帯事業への参入が彼に大きな希望と可能性を見出しているのは間違いのない事実である。

彼が挑むビジョンへの飽くなき追求は止まることを知らない。まさに可能を前提とした氏のこれまでの経験や実感からきている自信がそうさせるのであろう。行動はやはり社会を変える大きなエンジンとなることを証明してくれた。

『海士ワゴン』とは?

都市部で活躍する若手の講師と出前授業をサポートする学生・社会人を集め、実際に海士の中学生や高校生に出前授業と称した授業を行うプロジェクトです。この活動の目的として海士町の学生の視野を広げること、また、授業を通して実際に都市部の人間と地方の人間との交流を促進させることを目的においています。

現在までにSFC教授の井上英之氏(Social Venture Partners Tokyo代表・社会起業家コンテスト『Style』発起人)や株式会社ウィルシード副社長の谷口氏を迎えて授業を学生と共に作ってきました。毎回様々なテーマを扱いながらより工夫された授業が展開されるので、こちらもどんな授業か毎回ワクワクしながら拝見しています。 

そもそも『海士ワゴン』を始めたきっかけとは? 

もともと、島根には他の用事でよく足を運んでいました。最初は氷川町という町で中小企業の製造業のITコンサルタントという立場で関わっていました。その後一橋大学の大学院に進学し、海士町にも訪れるようになりました。最初は産業の調査が目的でした。研究を進める中で都市部と地方との「交流事業」をやりたいというニーズがあったので、「そしたら、海士とラブワゴンを組み合わせて、「海士ワゴンだ」というよな感じでプロジェクトを進めていきました。準備は僕が大型免許を取るのも含めて約1ヶ月。

『ちちばす』とは? 

コンセプトとして、現在日本の地域が抱える過疎問題や格差問題の現場を生で実感するという『海士ワゴン』を発展させて、もっと多くの地域を見ようじゃないかということで1カ月間かけて日本の地域活性を行っている場所にバスを走らせ、これまた地域と都会を結びつけるプロジェクトです。

2ヶ月弱でこのプロジェクトを立ち上げ、見事に成功しました。1ヶ月に渡る地方への旅になりますからね。しかも学生が主に企画・準備を担当しました。海士ワゴンでの経験が生きていたのもよかった。地方とのネットワークも既に築いてありましたからね。ただ、課題もあって、海士ワゴンとの差別化をうまく打ち出す事ができていないというのは事実です。1回目の『ちちばす』を走らせたのはすごく感動しました。

感動?

学生だけで1カ月がかりでワゴンを走らせて地方を回ってしまうという企画が成立したわけですから、やはり感動はしました。ただ、その感動とは一転して、絶対に「自分たちが地方を変えている・活性化している」という気になってはいけないと思います。やはりそんなに甘いものではないですし、人生かけて地域を活性化している人たちに対して失礼ですからね。自己満足で終わってはいけないと思います。

事業を進める上で、プロジェクトを進めるパートナーが変わってきていますか?

どんどん変わっていきます。学生とプロジェクトを進める強みは勿論あります。ただ、僕はビジネスをしなければならないわけですからね。また、フェーズが自然と変わってきているという事実も影響しています。同じように、僕は社会や誰かに対して原因があるなんていう事は言いたくないですし、むしろ、誰かのせい、社会のせいにしても何も生まれない。だからリベラルな立場でいつづけたいと思います。

大学院生であり、バスの運転手であり、古本屋の経営者でもあり、プロデューサーでありと様々な事をやられていますが、その中で今一番力を入れているプロジェクトとは?

基本的に全部ですね。院生として論文も書いていますし、研究の立場でいうと普段なかなか会えない人に会えますし、利害関係なく様々な人と関係をもてます。行政と仕事していると予算がつくということで仕事の信頼度は高まりますし、会社をやっていると事業自体のスピードの改善を意識したりする上での改善力が身につきます。

今後のビジョンとは?

ここ日本において、移動の概念を無料にしてしまいたいですね。一貫してそもそも僕がやりたかったのは地方と都市を結ぶ無料バス事業です。定期的に日本中をバスで行き来できるようになればと思います。『海士シャトル』とでもこの場ではいっておきましょう。(笑)

この構想をもう少し進めたいと思っています。現在までの企画では西へのサービスしか実現できていないので、やはり北にも無料で行きたいという欲求が発展して、日本全国を行き来したいですね。

可能性はあると思うんです。インターネットしかり、電話しかりと。通信がほとんど無料になって、雑誌もフリーペーパーの台頭で無料になっている媒体が増えてきている。そして、唯一無料になっていないのが「移動」なんです。これもやり方次第で可能だと僕は思っていて、ジェット機なんかも理屈としては無料で飛ばすことも可能なわけです。

要するに日本全国津々浦々、人を無料で乗せていきたいという事ですよね?

そうですね。地方・都市の無料バスは実現させたいですね。この間、島根の県会議員の方とこの構想をお話したんですね。そしたら、11月に一度東京に来てくださるという旨もその場で伝えてもらっています。そもそも島根県全域に現在3つの空港があります。その中で出雲空港、隠岐空港そして、西の方に行くと伊上空港があるんですね。しかし、この最後の伊上空港はぜんぜん使われていない。搭乗率が3割くらい。であれば小売ビジネスを地方で展開する人をただで乗せてしまえという構想です。

年間約6000席弱のチケットを島根県で買い取って東京にいる若い起業家に無料で配るという計画を提言しました。これも世の中のためですし、結局I-ターン(都市部から地方へ移り住む人々)促進という無駄な事業費をかけていたりするんですね。それが結果にうまく結びつけばよいんですが、それもなかなか実績として現れていない。それよりも、搭乗率3割の空席をもてあましているのではなく、使われていない席を無料で提供することの方がよいアピールにもなるじゃないですか?

島根県の知事が東京で実施されているビジネスコンテンストに参加して、例えば優勝者には東京・島根間の月2回までの往復航空券をプレゼントするとかして、知事が表彰するといった企画も立てられるわけです。僕はこれを本気でやりたいと思っています。

エコカレッジの経営面を含めて、現状の課題とは? 

エコカレッジを経営者視点で述べると、時間をやりくりする器用さですかね。また、コミュニケーションが足りていないというのもあります。もっと、現地に顔を出して、従業員だったりとの対話をもっと作ることが必要ですね。なかなか余裕がないかもしれませんね。院生を終了したら、次は博士課程に進む予定ですし、当面のテーマとして「過疎地域」、そして「都市・農村交流」になりますね。

最後になりますが、読者へのメッセージをお願いします。

とにかくあたって砕けて欲しいですね。むしろ、砕けることに恐がらないで欲しいですね。昔に比べればもっと自分のやりたいことに挑戦しやすくなりました。また、ウェブ2.0の台頭により、何かやりたいと思ったらすぐにでも行動も仲間もできる環境は整っているということを再認識することだと思います。固定概念を疑いながらも、自分の環境の豊かさに気づく事もやはり大切ですね。

 

 

尾野氏のインタビューは以上になります。

次号は渋谷をはじめ、全国の女子高校生を中心に15万以上もの売り上げを記録したはあの『ヘブンズ・パスポート』の仕掛け人、オキタリュウイチ氏の取材をお送りします。

『ヘブンズ・パスポート』から約7年の時を経て再び社会変革のフィールドに戻ってきたオキタ氏。

次なる社会変革テーマは年間3万5千人もの死者を出す「自殺」である。氏の既成概念にとらわれない発想の根源をベースに取材を進めた。

みなさま、お見逃しなく!!


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Profile
Interviewie photo

有限会社エコカレッジ
代表取締役

尾野寛明 Ono Hiroaki

2001年、一橋大学商学部入学、初期衝動に魅せられてとある古本屋が走り出す。 専門書しか扱わない、店舗を持たないネットの古本屋。当時はボロ車で大学の前で警備員と格闘し、時には当局に捕まる怪しいゲリラ商売の古本屋。

2002年、日本初の社会起業家コンテスト、STYLE2002で優秀賞を受賞。有限会社エコカレッジ創業。

2003年、大学休学。会社を仲間に任せ半年間のインドのIT企業でのインターン。

2004年、社長復帰。 秋になり、社長を後輩に譲る。さまざまなつながりで、島根と東京を往復する生活が始まる。

2005年、島根県斐川町の産業支援NPOでアドバイザーとして任命され、島根大学と連携した、地元製造業や地元の温泉経営の支援に携わる。
古本屋は一年で社長が交代する。三代目社長が誕生。同時に代表取締役会長に就任。

2006年、学部を卒業。一橋大学院商学研究科修士課程へ。師匠は地域産業開発論の関満博氏である。活動のフィールドを島根県全体へ。古本屋は4代目社長に引き継がれる。

詳しくは→ 

【有限会社エコカレッジ】http://eco-college.com/index.html

Editor’s profile

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