こんにちは!
テトルの本村拓人です!
今号はオキタリュウイチ氏のインタビューを全3回に渡って配信いたします。
社会変革を志す方々に取材をしていて感じる共通点に『一般的な概念では考えない変わり者』という点があげられる。ことさらオキタ氏もそんな変わった考え方を持った社会変革者だ。
本業をライスワークと名づけ、クリエイターのプロとして結果を出し続ける。そして、自己資金を投資して社会問題を解決するプロジェクトを現在進行している。
テーマは『自殺』だ。
しかも、たったの1年半でこの自殺者数を劇的に減らすとコミットする。
『結果』を意識しつづけ、ネガティブな結果は常に改善させていく。「やっていることがどんなに社会的によくても結果がでなければ意味がない。」社会変革のプロはそう言い切った。
『自殺ゼロキャンペーン』とは?
世の中には、いろんな課題が存在します。それを短期的になんとか解決できないのかということで、昨年『ポジメディア』という会社を立ち上げ、その時、社会的な問題の解決策を発表しました。
そんな中で、自殺者が年間3万5千人を超えており、「自殺者を短期的に減らす仕組み」を考えました。このキャンペーンを最初に選んだ理由は、一番早く成果が出るだろうということ。例えば環境問題をとっても、問題をどこかで複雑にしている人がいて、それで生活している人たちがいます。もっとシンプルに、問題を因数分解するんです。すると、難しいとされていた問題がシンプルになり、そうすることで、解決策もシンプルに浮かび上がります。これは短期間で解決することが出来るはずだというのがそもそもの考え方でした。
問題を簡素化するということですね?
自殺する人って、世論的には社会から逃げている人だという意見が多いんですが、実際私がヒアリングしたところ、非常に論理性が高いという特質がわかってきました。自殺思考の高い人って頭が良いんです。さらに、責任感が強かったり、完璧主義者だったりします。自殺をする人というのは非常に決断力に長けている。行動力があるというのも特徴の一つです。
日本人の自殺の1回目の成功率が90%くらいだということも調査でわかりました。ヨーロッパだとこれが40%くらいなんです。比較すると日本のほうが1回目で死ねてしまうということになってくる。日本の自殺者の背景に「スキル・能力が高い」ことと、「ノウハウが開示されていること」があり、その逆をやってみようと。
あと、ウィーンでは実際に、劇的に自殺者数が減ったという実例があります。メディアで自殺についてセンセーショナルな報道がされていて、その結果として自殺者が増えているのではないかという仮説から、そのメディアに対して規制するガイドラインを発行したそうです。それだけで4分の1に減少しているという結果が出てきました。
通常のビジネスの世界だと、効果が出ないということは、ポイントがズレているので、リサーチをし直します。何がズレているのか?を常に改善し続けます。例えば、ビラを配っていたりして、誰ももらってくれなかったら、それは何故なのか考えます。こうやったら伝わる、受けとってくれるという仮説を立て直すわけです。
NPOやボランティアだとやっていること自体が美しいことだと思っている方々が多いので、活動をやっていて頑張っているということに価値を置いてしまいます。私たちは本当にそれが問題解決のためにリーチしているのか?ということを追い求め、改善する努力をすれば必ず短期間で結果は出るはずだと確信しました。
僕の周りに中小企業の社長さんが結構いるんですけが、実際自殺しかかったけど、こうやったら解決した、という成功事例が結構集まっているんですね。それをオープンソースにしようという試みがあります。
その
問題解決の事例を『生きテク』と名づけました。死なないテクニック、生きるテクニックです。しっかりとSEO対策をして情報が検索結果のトップにくるようにします。そうすることで直接関係ないことを検索しているのに、自殺に対する問題解決がぽんぽんと見つかるような仕組みになっています。
今は逆ですよね。勝手にネガティブな情報が知りたくもないのに受動的に入ってきます。もうそのニュースや情報を聞いたことあると言っているのに、違うところから入ってくる。要するに私たちは情報に犯されている状態なんです。その逆をやりましょうというのがこのプロジェクト。「自殺」と書いて検索しても、その具体的な手段しかでてこない「死に方のメニュー」です。
よく言われているように、日本人は選択肢を出すとその中から選ぶという習性がありますので、比較的誤解して自殺している人が多いのではないのか思っています。本当に自殺したいという人もいますが、もしこんな解決方法をしっていれば自殺をしなくても良かったんじゃないか、という人もいるので逆となる問題解決のメニューを作るというのが基本的な構造です。
オキタさんの本業とは?
私は本業のことを「ライスワーク」と名づけているんですが、政治家のブランディングを提案したり、企業や商品のプロモーション・ブランディングをしています。ライスワークは読んで字のごとく、私が普段どのように生活しているかということですね。また、弊社はデザイン会社でもあるのでCI計画(Corporate Identity)もやっています。
NPO法人ETIC(エティック)さんのCIも設計しました。実はETICさんのパンフレットを作るのに1年かかったんですね。ETICさんは逸材といわれる方々が集っていることもあって能力や個性が強すぎて内部での不整合が生まれていました。そこで私が提案したのが『里美八犬伝』というコンセプトで、様々な人が1つの意思の下に集って様々なムーブメントになっていくという思いを込めてデザインさせていただきました。
また、経済産業省からのお仕事もやらせていただいていて、受託の事業でソーシャルベンチャーを沢山作ろうという『チャレンジコミュニティ創生プロジェクト』という企画がありました。
これも様々な人が関わっていたため、各自の説明も違ったりするんですね。最終的に、「笑顔で働く働き方は世の中に一杯ある」というテーマを扱った経済産業省としては異例の報告書を制作しました。
これが反響をよび、そっくり報告書のまま出版されることになりました。異例ですが、行政の報告書が本屋で売られているという現象が起こったんです。このお仕事でも大変な評価を頂いたことも自信になっています。こんな感じでこっそりやっているんですけど、これが私のライスワークになります。
本業で稼いで、そこでの利益を『生きテク』プロジェクトに投資されているという戦略ですね?
そうですね。『生きテク』は未だにビジネスモデルがしっかりと完成されていないのですが、いろんな手法でプロモーションを実施し、「日本人なら誰でも知っている」級のプロジェクトにしたいと考えています。現在は広告も全く入っていませんので、全て持ち出しでやっています。
実際、バランスはとれるものなんですか?
はい。特に今年ライスワークで得た収益に関してはできるだけ『自殺ゼロキャンペーン』や『生きテク』に投資しようと考えてます。
2年後、3年後に回収するということですか?
回収という概念とは違います。収益がなくても基本的には成り立っているので、今のところ問題はありません。ただ、収益化を目指す理由として、運営委員に対してしっかりとお給料が発生する仕組みを作りたいと思っています。能力ある人たちを巻き込み続ける上でお金は非常に重要だと考えています。
オキタ氏のインタビュー(前編)は以上になります。
次号は今年7月、9月に実施された『生きテクゲリラTシャツ100人隊』の全貌に迫ります。
各メディアにも大きく取り上げられ、NHKでもこのキャンペーンの一部が放映された。わずか半年間の間に次々とプロジェクトに関わる人が増えているのも『ヘブンズパスポート』から得た教訓が大きな糧になっている。
みなさま、お見逃しなく!!
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Okita Museum. Inc
代表取締役社長兼CEO
オキタリュウイチOkita Ryuichi
1998年、成功哲学に社会貢献を取り入れるというコンセプト構築、クリエイティブ戦略のもとに商品化した、『ヘブンズ・パスポート』を雑貨展開する。
1999年、『ヘブンズ・パスポート』が渋谷を中心とした高校生にブレイクし、15万部(1億5千万円相当)を売り上げる。また、現代用語の基礎知識にも記載され、アエラを始めとする、各メディアに取り上げられる。さらにロイター通信にも取材され、海外の新聞にも「日本の文化」として紹介される。
1999年、『ヘブンズ・パスポート』の成功例から、コンセプト設計・企画立案・ブランディング・アートディレクション・コピー・デザインワーク・デザインコンサルティング等のクリエイティブ・ファームを目指し、有限会社オキタリュウイチ事務所を設立する。
1999年、建設省(現国土交通省)の企画『リバーキーパーズ』の企画総指揮。
2002年、自治労主催 自治研全国集会(4000人規模・1週間のイベント)のブランディング・デザインワークを手がける。
2002年、『urashima system』と称するプロジェクトを立ち上げる。日比野克彦氏やヘルムートシュミット氏、夢枕獏氏など、約30名程のアーティストに呼びかけ、日本発現代のお伽話として海外に輸出するプロジェクトを進行する。
2004年、多数の企業ブランディングコンサルティング事業を開始。株式会社に組織変更『okita-museum』とする。
2006年、メディアでの社会変革プロジェクト「ポジメディア」を発表、法人化する。
2007年、『自殺ゼロキャンペーン』本格始動。
高野山金剛峰寺ブランディングプロジェクトに参画。
詳しくは→
【Okita Museum,Inc】http://www.okita-museum.com/
【PosiMEDiA】http://www.posi-media.net/
【生きテク】http://ikiteku.net/
本村拓人(もとむら たくと)
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1999年に15万部のセールスを記録した『ヘブンズ・パスポート』を世に出したクリエイター・オキタリュウイチ氏の初の詩画集。日々の生活に疲れた時や戸惑いを感じた時に読みたくなる一冊です。

