こんにちは!
テトルの本村拓人です!
今号も前号に引き続きジーコンシャス株式会社代表取締役、井手敏和氏のインタビューをお送りいたします。
本日(2007年12月13日)井手氏が予てより進めている生活者を巻き込んだ二酸化炭素の排出権取引を実現させるサイト(カーボンパスサイト)をオープンさせた。今後このサイトを通して生活者が環境問題に対する意識・認識を高める事となるだろう。
皆様にもぜひカーボンオフセットについて、また、大きな視点から言えば環境問題に対しての認識を深めてもらいたいと思う。社会に良いことは体を動かすだけではない。ちょっとした社会問題に対して無関心でいる事をさけるという姿勢も立派な社会貢献だと私は思う。
ロハスビジネスの事業化に向けて具体的に動き出されたわけですね。
そうですね。ただ、自分でやるというよりも、ロハスビジネスが生まれる環境をつくるにはどうすれば良いんだろうと思って、色々な人に相談していたのが2006年でした。
日本のロハスは、ソトコトなどのメディアが広げたことがきっかけで急速に普及し、大企業も取り組んでいます。ただ、むしろ僕が感銘を受けたのは、例えば健康&エコ住宅を20年間ずっとやってきた第一人者の方とか、自然栽培の野菜をずっと売ってきた人とか、筋金入りの本物志向の商売をやっている人たちでした。彼らが、昔は大変だったけれども、ロハスが普及したここ3年くらいでここ最近お客さんが増えてきて、グリーンビジネスへの時代の流れを感じるという話をしていました。
そういう経営者は、苦労して自分で資金調達をしたり、連帯保証をして融資を利用したり自分でリスクを全部負っていている方が多いのですが、お客さんが増えて来て、次のステップとして多店舗展開や拡大を考えるときに、資金的、経営的な部分での悩みを抱えているケースが多いと感じました。
そういう方に、僕がシリコンバレーも含めての起業経験やベンチャーキャピタルの話、資金調達の話をすると彼らは興味津々でした。10年程前からITやネットベンチャーが発展する以前の状態なのだと感じました。
ですから、日本でもこういう本物志向のロハスビジネスがステップアップしていく手助けができればと思いました。たとえばアメリカでいうと、ホールフーズっていうオーガニック専門のスーパーマーケットの売上げは、5,000億円を超えているわけですよ。
日本だと多くても100億とか200億くらいですから、規模では10倍以上の差があります。もちろん大きいことがいいことだとは言わないけれども、ホールフーズは規模が大きくなっても、地産地消、NPOへの寄付など、自分たちの根幹の部分を失わずにビジネスをやっています。
そんな想いを、同じようにロハス分野で活躍されている大和田順子さんを始め、色々な方と話をしていて、そういうロハス企業や起業家をサポートするプラットフォームをつくろうということで、今年に入ってから具体的にLBAを立ち上げる準備を始めたのです。
僕はその時に漠然と、数年前の渋谷にITベンチャー企業が集結するきっかけとなった「ビットバレー」のロハス版、みたいなイメージを持ったんですね。当時は、西川さん(現NGIグループ取締役)をはじめビットバレー系の方々もシリコンバレーに良く来られていたので交流がありました。そこで、西川さんに久しぶりにご連絡し、今回LBAのアドバイザーをお願いすることになったんです。
そうして、LBAを今年7月に設立し、ロハス企業の取り組みとして、カーボンオフセットを紹介したりする中で、2008年から京都議定書の実効期間に入ることもあって、CO2排出権やオフセットなどへの関心やニーズが非常に高まりつつあることを肌で感じました。ビジネス的にもタイミングとしては今がベストだと思って、私自身の事業としてジーコンシャスを設立する決意をしました。
ジーコンシャスの事業の説明をお願いします。ジーコンシャスはどういう理念をもっているのか、どういう事業を展開していくのか、どんな事業モデルを持っているのかなどをお聞きしたいと思います。
「メガトレンド2010」という本を書いたパトリシアさんが、コンシャスキャピタリズムというのを提唱されているんです。意識の高い資本主義という概念。成長一辺倒で、資源が無限にあると考える野放しの資本主義では地球がもたない、CO2本位制とも言える限られた資源や環境にも配慮する資本主義がこれからのあるべき姿だ、ということです。このパトリシアさんのプレゼンもLOHAS 10で聞く機会があって、非常に感銘を受けたんです。
それ以来、「コンシャス」という言葉が頭の中にあって、今回の社名のベースにしました。あえて、カーボンオフセットを社名にしなかったのは、僕にとってカーボンオフセットは入り口でしかなく、目的はみんなの意識が変わることだからです。ですから、ジーコンシャスはオフセットプロバイダーだけに特化した専門業者とは考えていないんです。
僕がロハスの本を出していることもあり、グリーンコンシューマーとかロハスと呼ばれる人たちに、どういう製品やサービスを届けるか、というマーケティングコンサルティングなども行います。カーボンオフセットは分かりやすいし、定量化できるものなので、企業側はツールとして使いやすい。たとえば企業がCSRの一環としてオフセット付き商品を販売したりなども考えています。
エコな人は既に省エネで頑張っているけれども、プラスアルファでこういうソリューションもあるよっていう情報を提供して、彼らの新しい行動を促すきっかけとなるプロジェクトを実行したいと思います。そういうことの積み重ねで、結果的に個人個人の意識が変わっていくようなきっかけを与えていけたらなと考えています。
消費者が環境に対する意識を向上させることをどのように戦略的に事業化していくのか、という部分を具体的にお聞きしたいと思います。
来年一月からが京都議定書の実効期間なので、新聞には毎日のように排出権とか、環境について出ていますよね。これって実はほとんどの人は大企業の話と思っていて、個人個人が考えるのはまだまだこれからです。
一つのチャレンジとしては、自分が出したお金が、日本の京都議定書の削減量にも貢献できるということを、サービスとしてB to Cでやるということがあります。これから、僕らのようなオフセットプロバイダーも何社か立ち上がっていくと思いますが、みんなでCO2オフセットが、省エネに加えて行うべき取り組みである認知してもらうように努力する必要があるでしょうね。
ジーコンシャスとして具体的な大目標として掲げているのは、京都議定書の2008年から2012年までの第一実効期間の間に100万トンの二酸化炭素をオフセットしていくことです。初年度は10万トンやりたいですね。オフセットの方法自体は植林や、排出権売買以外のオフセット、グリーン電力とか色々ありますが、我々は、京都議定書に基づいた国連認証の排出権を購入することで相殺して行きます。
井手さん自身が今までITの業界でのご経験を活かして、B to CのC(生活者向けサービス)へどのよのような戦略でビジネスを展開されるのかについてもう少し説明して頂けますか?
そもそも僕は音楽や映像をプロモートしたり、どちらかというとB to Cビジネスが好きな人間なんですね。あまり大企業にコンサルするっていうのが性にあうタイプではありません。みんなに広めるのが得意だし、自分自身楽しめるところなので、そういうことがやりたい。
そのためにも、ユーザーがオフセットサイトを訪れて、ストレスなくオフセットまで至るプロセスを工夫することは、まさしくEコマースの仕組みを考えることです。ここが楽しい、よくできている、しかも便利だというようなサイトが作りたいですね。
それに加えて他の人たちが考えないような方法、たとえばITに詳しい人の世界では当然であるアフィリエイトやレベニューシェア的なもの、ウェブガジェットやブログツールなどIT業界のツールを活用していきたいですね。また、ビジネスアイディアを共有して新しい視点を与えることができればとも考えています。裾野が広がる、口コミ、バズマーケティングのようなことが仕組みを考えたいです。
さらに、こういう技術を使ってロハス分野の人たちがお金を稼ぐのを助けたり、広報を助けたり、彼らが何らかの満足感をリターンとしてもらえるような仕組みを作れたらいいですね。今、京都議定書プロジェクトにおけるCO2排出権の価格は、1トンが約3000円といわれていています。初年度10万トン、5年間で100万トンは、単純に掛け算してそれぞれ3億、30億になるわけですから、ビジネスサイズとしては、小さくはなく、むしろチャンスは大きい。今後は他の人からも出資を受けることもあり、上場を目標に走ろうと思っています。
グリーンビジネスは社会性がありますよね。そこで上場を目指されていて、出資もベンチャーキャピタルから受けられています。社会的に意義がある事業であっても、適正な収益を上げ、かつエンドユーザーの共感を得るビジネスは非常に斬新で興味深いものですね。
これは一つのチャレンジだと思っています。上場を目標とすると、お金儲けを最優先にしなければいけないと思っている部分がありますが、それだけではない、とみんながそれに対して懐疑的に感じ始めている時期だと思います。
欧米では、ロハス企業でも上場することは特別なことではありません。M&Aも盛んに行われています。さっき話したホールフーズも上場していて、フォーチュン500にも入っていて成長率ナンバーワン、売上も5000億なんですね。でも同時に地産地消だとか、オーガニック農家を資金的に応援したり、社員の寄付に会社がマッチングするなど、いろんなプログラムがあって、社会的な部分を失っていないんですね。
むしろそれを強みとしてずっと成長しています。ロハスの代表企業のガイアムなどもM&Aをベースに成長してきました。そうすると収益と社会性の両立は可能で、あとは優先順位の問題だと思います。既に、金儲けさえすれば何でもやっていいという考え方は崩壊したと思います。
じゃあ次の成功モデルは何だろう、と考えた時に、そもそも顧客の健康のことも、地球環境のこともちゃんと考えないと、商売がうまくいきませんよっていう時代になりつつあると思います。それを徹底的に強みまでもっていく企業の方が、逆に収益性が高くなるような。そういう意味で、グリーンビジネスやロハス分野で成功する人がこれから増えてくることを期待していますし、自分でもそこを目指したいなと思っています。
サステナビリティーとかCSRとなると、日本の企業は横並び意識が高く、他がやっているからうちもやりますっていうところが多いんですよ。アメリカでは、お金を投資している側が環境会計を採用するように迫ったり、CSR的なスクリーニングを通じて、ファンドや投資信託の、SRI(社会的責任投資)的なものが何百兆円にもなっています。
そうなると、世界的にはそういう社会的なことや環境対策をちゃんとやると株価があがるわけですよ。日本はまだそこのところが認識されていないですね。
日本では、京都議定書を守るために、経団連が自主目標を定めていますが、その対応の仕方によって、それをコストと見るのか、それともビジネスチャンスと捉えるかっていう選択肢は実はみんな持っているわけですよ。
今後は、CO2排出量を自社が減らせなければコストになっちゃうし、目標以上減らせれば排出権として販売できるチャンスにもなるという時代です。ですから、これから、京都議定書の実行期間やその後に向けて、ずいぶん企業の考え方や社会環境も変わるんじゃないかと思います。
ジーコンシャスは、目標の京都議定書実行期間5年で100万トンを達成するためには、数万人のお客さんが必要だということになりますね。少なくともその数万人がオフセットに対してお金を払ってくれる。2,3年後には、そういうグリーンコンシャスで環境意識の高いお客さんがそれだけいれば、オフセットだけでなくて色々なソリューションを提供していけると思うんですよね。
たとえば最近市民ファンドで風力発電の風車などが人気で、3億の建設費の一口50万くらいのファンドが3日くらいで集まっちゃうんですね。だから既にグリーンコンシャスな人たちは今日本にも多いんですよ。僕としては、カーボンオフセットを入口として、そういうグリーンコンシャスな人たちに幅広く製品やサービスをオファーできたらなと思います。
もし上場できたとしたら、avexとかホリプロが、株主総会で株主向けにコンサートやったりするじゃないですか。あれと一緒の感覚で、株主総会でグリーンな取り組みをしてそこで楽しんでもらうとか、そういうことをやりたいですね。ワタミは結構近いことをしていると思いますが、ワタミの渡辺社長も言っているとおり、上場してしまうと株主は選べないけれども、そういうグリーンな人たちに支持されるような状況はつくっていけるだろうと思っていて、そうしたことを通じてグリーン上場の先駆けとして社会にとってよいモデルとなれればと思っています。
井手氏のインタビュー第二弾は以上になります。
次号は引き続き井手敏和氏のインタビューをお送りいたします。
みなさま、お見逃しなく!!
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ジーコンシャス 株式会社
代表取締役
ロハスビジネスアライアンス
(LBA) 共同代表
井手 敏和 ide toshikazu
- 1958年
- 1月1日生まれ、山羊座
- 1987年
- 渡米し音楽製作ソフトを制作、世界的大ヒットとなる
- 2000年
- 日本に帰国し、『喜多郎』などの癒し系音楽・映像制作会社設立にかかわる。
- 2003年10月
- から米国のLOHASコンファレンスにも参加。
- 2005年3月
- ロハスの書籍を出版し、ロハスを日本で広める活動を行う。
- 2005年5月
- アコースティック・ユニット「To Be Acoustic (TBA)」のファーストアルバム「Simply Natural〜Music for LOHAS〜」などをリリース。「ユダヤ人大富豪の教え」の著者、本田健氏の講演会での音楽・映像イベントもプロデュースする。
詳しくは→
【ジーコンシャス株式会社】http://gconscious.jp/
【ロハスビジネスアライアンス】http://lohas-ba.org/
【カーボンパスサイト】http://carbonpass.jp
本村拓人(もとむら たくと)
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