こんにちは!
テトルの本村拓人です!
今号も前号に引き続きジーコンシャス株式会社代表取締役、井手敏和氏のインタビューをお送りいたします。
グローバル化が進む中、広い視野をもちながら自国での経済活動を行う井手氏。
また、社会起業家を目指す方々に対して井手氏はあらゆる人とのネットワークの大切さを教えてくれた。
社会問題、特に環境に関わる問題は様々なステークホルダーとの連帯が必要不可欠となる。関わり合う人々、団体、企業の利益や立場を理解しながら、自分の主張を重ね合わせて事業を進める力は、やはり社会起業家に求められる重要な資質の一つである。
これから井手さんに追随する人たちも増えていきそうですね。?
LBAを作ったときは、自分で起業することを前提にLBAを作ったわけではなくて、むしろ応援団になろうと思っていたんです。でも今回、カーボンオフセットビジネスをやれる機会があって、LBAという活動のプラットフォームをせっかく作ったんだから、自分で実践して一つのケースになれるんだったら、という想いもあります。それを見て、ロハスビジネスにチャレンジする起業家も増えてくれば良いな、と。
今見ていると、カーボンオフセットにしかり、ロハスビジネスしかり、井手さん自身がグリーンビジネスの先駆けになっていると思うんですが、どうお考えですか。?
カーボンオフセットに関しては、日本ではまだまだそれ自体新しい概念なので、最初に始める何社かのうちの一つになると思います。その中で、我々なりの特徴と強みを打ち出していけば、チャンスはあると思っています。いずれにしても、市場を作っていく啓蒙感覚は必要だと思っています。
目標として、初年度10万トンを掲げられている訳ですが、それを達成するうえでの課題や、ビジョン、あるいは組織などで、井手さんが抱えられている課題って何がありますか?
会社としては登記が終わって、第一号社員が仕事を始めて、オフセットのWEBサイトはパートナーに今作っていただいている状態です。課題の一つは、やはりできるだけ多くの人に僕らを選んでもらえるような仕組みを作っていくことです。B to B の場合だと、実績作りと信頼される体制ですね。
あとは、今回、カーボンオフセットに関する意識調査をやりました。無料レポートがWEBサイトでダウンロードできます。ロハス層と非ロハス層で、カーボンオフセットに関する認知度や価格感に違いがあって、とても興味深い結果が出ています。今までも、たとえば僕のセミナーでも、月に千円くらいで自分の車が出している二酸化炭素を地球のどこかで相殺するということにお金を出す人はいますかって聞くと、半分くらいは手をあげるんですね。
みんなそういうことはやってもいいと思っている実感はあります。でも、今後もっともっと広めていく努力は必要だし、立ち上がるまでの資金需要も含めて、色々な産みの苦しみはあるでしょうね。
シリコンバレーには最近行かれているんですか?グリーンビジネスにテーマを絞って、アジアや日本、アメリカで何か違いはあると思いますか?
今回、台湾のオーガニック&ロハスエキスポっていう展示会での講演に行ったんです。その際に、主催者の方に街のオーガニックなお店に案内して貰いました。やはり、食品、無農薬野菜、オーガニックコットンなどオーガニック系のものは台湾でも同じように流行っています。聞いたところによると、昨年、ロハス系通販雑誌をセブンイレブンが販売して、それからみんながロハスを知るようになったそうです。
バスのラッピング広告やビルボードで、ロハスって書いた広告を見ましたし、日本のロハスの流れがここにも来ているんだなっていうのは実感しました。サステナビリティーに関して言うと、台湾は京都議定書と関係ない世界にいるし、そういう意味であまりまだ意識は高くないっていう説明をしていました。ですので、もう少々時間はかかるかもしれないですね。
アメリカは、去年と今年がずいぶん違ってきていて、大きくいうと、ハリケーンカトリーナと、ゴアさんの映画の影響を感じました。今年の第11回ロハスビジネス会議では、LOHASのS、サステナビリティーのほうがフォーカスされている印象でしたね。いきなりみんなグリーンになっちゃった感じです。グリーンじゃなければクールじゃないみたいな(笑)。
シリコンバレーもグリーンな人が多くなったという感じですね。実際、アップルに勤めている僕の友達も、二年くらい前からプリウスにのって、ホールフーズで買い物して、きっとカーボンオフセットしていると思います。特に、カリフォルニアはシュワルツネッガーが知事になって、今ではすっかり先進的なエコ知事になりましたが、それは支持者がグリーン化しているからでしょう。
シリコンバレーでは、それがビジネスチャンスだっていう認識も高く、たとえばテスラモーターズの電気自動車は大注目されています。プリウスはみんな乗っているから、テスラに乗っかっている方が自慢できるのかなって思います。そういえば、交通渋滞の多いカリフォルニアには、カープールレーンという車に二人以上乗らなければ走れないレーンがあるんですけれど、ハイブリッドカーだと1人でも通って良いという法律もあるんですよ。
アメリカは、投資家がこの分野に注目して、積極的な投資が行われている、と聞きます。日本はまだこれからというところなんでしょうか?
日本もリサイクル、省エネのテクノロジーにはお金が出ているケースもあります。アメリカでは、今シリコンバレーがソーラーバレーと呼ばれたりしていて、かなり画期的なソーラー技術がどんどんうまれています。シリコンバレーでは、ITのバブル後にバイオがあって、今それがクリーンテクノロジーになってるわけですね。
風車の風力発電にしろ、ソーラーにしろ、いろんな面白いことをやっているところが増えているようです。テスラモーターズだって10万ドル位のスポーツカーですが、あれができたのは、基礎技術から一から研究するというより、携帯の電池の技術を応用してやったらできちゃったみたいなところがあるらしいんですね。
だからこそベンチャー企業が取り組んでも、フェラーリと同じくらいのゼロヨン(0〜400Mまでにでるスピード)がでるみたいなブレークスルーが生まれる。
そういう製品がどんどん産まれているダイナミズムは、面白いと思いますし、その背後にはやはりアメリカの主要なベンチャーキャピタルがグリーンテクノロジーとかソーラー技術にお金を多く投資しているということですね。
クリーンテックという、クリーンテクノロジーに投資する世界中のベンチャーキャピタリストが集まるフォーラムがあるんです。日本のベンチャーキャピタルも何社か登録していますので、日本でも注目しているところは増えているんでしょうね。
ただ、日本は、技術を持った技術者なりテクノロジーは大企業が開発の中心だったりします。技術者が飛び出てベンチャー企業を興すっていうのはまだごく一部ですね。でも、IT業界ではベンチャー起業が当たり前のようになった訳ですから、今後は変わるかもしれませんね。
最近、若い人はずいぶん社会起業家になりたい人が増えてますね。僕もたまに環境意識の高い学生の集まりに呼ばれていくことがありますが、すごくみんな優秀だし、実際に色々な行動もしている人も多いので、大したものだなと思うこともあります。
そういう意味では、社会起業家を目指したいと言う人は多くなっていても、日本の社会起業家を資金面で支えるしっかりとした仕組みが不足しているような気がしますが、融資のシステムなどはどうですか?
それはグリーンビジネスだけじゃないのですが、日本は、経営者の個人連帯保証が求められて、お金を借りると家、屋敷を担保にしなければいけないといったところがまだ残っているじゃないですか。アメリカの場合は再チャレンジができる仕組みがあるのも確かですね。
読者に対して何かメッセージをいただけますか?
NPOであれ、企業であれ、社会起業家であれ、組織を創るっていうことはそれなりに経験も人脈もあったほうが成功する確率も高いと思います。ロハスのジャンルの一つにもセルフデベロップメント(自己開発)がありますが、自己成長を意識したキャリアプランをまず考えるのは良いと思います。
会社なんかは、今一円でも作れるわけで、企業のほうも最近は副業、アメリカで言うムーンライトジョブを容認するようにもなってきていますよね。なので、自分さえ意識して何かやろうと思えば週末起業で、グリーンなビジネスを手がけても良いわけですよ。WEBベースのサービスであれば、最初は資金がなくても、アイディア次第でできることっていっぱいあると思いますし。
それでも、日本の場合は、企業である程度経験を積んで、ある程度の自信と確信を持った上で起業する方が良い気もしますね。大企業の中には社内起業制度がある場合もありますし、いきなり飛び出るよりは、いろいろ見極めることが大事です。
それから、視野を広げるために、色々な本を読むとか、人に会うとか、最近はよくメンターと言いますが、周りにメンターがいなければ、本の著者がメンターでもいいわけです。だから、特に20代は僕もそうだったけど、いろんな経験を積んだ方がいいような気がします。
僕が20代のころは、会社に勤めながらミュージシャンをやって、ソフトの企画や雑誌の記事とか書いたりしていて何足ものわらじを常に履いていました。それって、今とやっていることはそう変わらなくて、当時から言うと会社に対してロイヤリティーの低い社員だったんですが、今にして思えば(笑)。
もちろん、会社側の理解があってのことでしたし、結果的にその会社が私をアメリカに送ってくれた訳でとても感謝しています。後から聞いたら「あいつは遊ばせておけ」っていう指令がトップから出ていたらしくて(笑)。そう会社に思わせる何かを持つ、今の言葉で言うと、パーソナルブランディングも大事だと思いますよ。
僕は20代のころから自分が興味を持っていて、これ面白そうということしかやってきてないわけですよ、基本的には、それが音楽であったり、ソフトウェア開発、インターネット、そしてロハスであったり。
でも、気が付いたら、タイミング的には早くて、後から時代が付いてくるようなところがあったので、それはラッキーだったかなと思いますね。でも、全然行き当たりばったりだし、面白いことを探していたら、「これだ!」と思うことがたまにあるんです。
カーボンオフセット、ロハスなんかもそうですね。なんとなくピンとくる直感のようなものを意識することで、広がる世界もあると思います。ある意味では、遊び心がいるのかもしれないですね。よく、まず資格をとるという人がいますが、資格をとるよりは遊んだ方が身に付くことも多かったりするのが面白いところ。エコ検定も良いけれど、いろんな人に会うことも同じように大事だと思います。
本当に人脈の幅が広いですね。
本を出してからやっぱり変わりましたね。やっぱりこっちも何か持っていれば、人脈がより広がるのは確かですね。本を出すとやっぱり、あちらからも会いましょうと声をかけて貰えることも多くなるし、同じ著者同士のネットワークも広がるし、それが本を出して一番良かったことですね。
井手さんがやられてきた一連のことが、今回のジーコンシャスで一つにつながったのではないですか?
ジーコンシャスは、まだ始まったばかりですが、私は今49歳で今度のお正月で50歳。それ以降でどんな仕事を成し遂げたいか、ということを考えたときに、やはり今までのことを活かしてできる仕事、それを楽しくできることが一番だと思います。
井手氏のインタビューは以上になります。
次号からは有限会社ボランタス、ミスマッチジャパン株式会社代表取締役社長、佐藤禎之氏のインタビューをお送りいたします。
みなさま、お見逃しなく!!
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ジーコンシャス 株式会社
代表取締役
ロハスビジネスアライアンス
(LBA) 共同代表
井手 敏和 ide toshikazu
- 1958年
- 1月1日生まれ、山羊座
- 1987年
- 渡米し音楽製作ソフトを制作、世界的大ヒットとなる
- 2000年
- 日本に帰国し、『喜多郎』などの癒し系音楽・映像制作会社設立にかかわる。
- 2003年10月
- から米国のLOHASコンファレンスにも参加。
- 2005年3月
- ロハスの書籍を出版し、ロハスを日本で広める活動を行う。
- 2005年5月
- アコースティック・ユニット「To Be Acoustic (TBA)」のファーストアルバム「Simply Natural〜Music for LOHAS〜」などをリリース。「ユダヤ人大富豪の教え」の著者、本田健氏の講演会での音楽・映像イベントもプロデュースする。
詳しくは→
【ジーコンシャス株式会社】http://gconscious.jp/
【ロハスビジネスアライアンス】http://lohas-ba.org/
【カーボンパスサイト】http://carbonpass.jp
本村拓人(もとむら たくと)
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