こんにちは!!
テトルの本村拓人です! !
今号もNPO法人KOMPOSITION代表の寺井元一氏のインタビューをお送りいたします。
皆さんは『Adbusters(アドバスターズ)』という非営利組織をご存じでしょうか?Advertisiment=広告、Busters=退治屋からとった造語がこの組織の名前の由来だ。
この非営利組織を率いているのがカル・ラスン氏であり、あの六本木ヒルズのロゴマークを手がけたジョナサン・バーンブルック氏である。アドバスターズは様々なイベントを通して世の中に『メディアの公共性』を訴えかける事を目的にカナダで活動しているメディア&クリエイティブ集団だ。
現在では世界40カ国に12万部もの季刊誌を発行している。同団体が仕掛けるムーブメントの中に『Culture Jam = 企業や政府のプロパガンダとして発言されている既存のメディアを変革しようとするムーブメント』を世界に仕掛けている。
そもそもカルラスン氏が同団体を設立したきっかけとなったのがブラウン管腰に流れてきた企業CMである。「森林資源については心配無用です。あなたの森林は永遠(フォレスト・フォーエバー)なのです。」この企業の実態とはかけ離れた偽りの広報に怒りと滞りを感じ、その初期衝動を忠実に活動の動機と理念にして活動している。
私が、寺井氏と初めて出会った時に「私は初期衝動を大切にして生きてきた。KOMPOSITIONも初期衝動を大切にしながら運営してきた。」と語ってくれた。カルラスン氏も寺井氏もその初期衝動を原点に活動している点では非常に共通性を感じる。もしかすると、何故今NPOなのか?という質問は彼らにとっては愚問なのかも知れない。
今始められて5年くらいたたれているわけですが、何か変化みたいなものはありましたか?特に最近になってから社会起業家への注目やワークライフバランスの取り組みなど、色々と変化が起きていますよね。
世の中的にはいろいろあると思います。だけど僕らには、まだあまり関係してないかもしれないですね。それは自分にとってはジレンマでもあるし、どう舵をきっていくっていうのは経営者として敏感になるべきことだと思っています。ただ、大切なのは自分たちから世の中の流れを作り出していくことですね。そのためには、自分たちの本質的な活動をちゃんと事業として離陸させていかないといけない。そのタイミングと、世の中の流れがうまく噛み合えば、すごくきれいな成長ができるだろうから、できればうまく乗りたいですけどね(笑)。まあ焦らずやります。本当の変化はまだまだこれからだと思います。
寺井さんのような先駆者って先見性があるがゆえに、事を成す上で環境が整っていないというのがありますよね。寺井さんがご自身の特徴として執念深くがんばるということをおっしゃっていましたけど、その中で寺井さんが不安になるときとかモチベーションが落ちるときって逆にどういうときなんですか?
たとえば企業とかから支援金をもらう際に、企業の方があまりにもNPOとかについてわかっていない、知らなすぎる愕然とすることもあると思うんですが。
僕からすると企業はわかりやすいです。企業は単純にいうと利益を上げたいわけですから。社会貢献でも彼らの利益の何パーセントを公益にまわすことが、会社として持続可能なんだという試算の中でやっているわけです。とはいえその予算を預けるならば、できるだけPR効果を高く使ってくれるところか、先駆者的なことに使ってくれる所の方がいいとか、本業に近いところで使ってくれたらいいなとか思いながら彼らはやっているわけですよね。だから企業に関しては、そんなにストレスは感じません。ただまあ、まだまだ企業とのお付き合いは少ないですから、これからもっと経験を蓄積していかないといけないですね。
逆に言うと行政とはどちらかと言えば難しいです。行政にはあまり積極的な目的がないんです。行政に対しての評価の仕組みと関係あると思いますが、基本的に頑張らなくても困らないのが行政で、リスクをとらない。できるだけ画一的、公平性というわけで、先駆的なこととかトライアル的なことみたいな先の見えないことはあまり喜ばれません。KOMPOSITIONは新しい企画や価値観を提案していこうという意識が強いので、葛藤することが多いですね。それでも世田谷区との例とか、新しいお付き合いも始まっています。
あとは不安やモチベーションの細かい落ちはありますよ。個人的には仲間が辞めるとか不満を漏らされるとかは辛いし、自分が風邪をひいたらモチベーション下がるし、同級生の年収を聞いたら嫌になることもありますし(笑)。でも僕は非営利セクターの未来や、KOMPOSITIONの意義にはこれっぽっちも疑いがないので、本質的な不安はないんでしょうね。今日より明日は、頑張れば頑張るほど、面白くて楽しくて幸せな世界が待ってるわけですから。
KOMPOSITIONのサービスについてなどをお聞きしたいと思います。まず寺井さん自身「KOMPOSITIONとは何か?」と聞かれたらなんと答えられますか?
KOMPOSITIONが「表現者に活動の場所や機会を提供する」団体だということを大前提に、僕は三つぐらい補足説明があると思っています。それは「コミュニティ」であり「実験室」であり「プラットフォーム」だということです。第1に、今の世の中に違和感を感じて変えていきたい、新しい何かに関わっていきたい、そのくせ安っぽい熱にほだされたくない、といった人間の集まるコミュニティですね。
良くも悪くもあまりPOPじゃないというか、異才というか、はぐれ者が集まってくる。そういう仲間が集まって、いろいろなアートやスポーツの分野で表現者をサポートする実験をやっている。実験にもそれなりの作法というか、なにせ行政や企業と協働してイベントを立ち上げたりするので、共通するノウハウがありますよね。それが蓄積されていくのが強みですね。
最後に、メンバー個々人がKOMPOSITIONに勤め上げるんじゃなく独立できるぐらいに頑張ろうという文化があるので、新たな起業の母体になっている。実際、現時点で関係者が立ち上げた会社が2つ、もうすぐ3つ目ができそうですが、そういう実績がある。なぜかNPOはできないですね、KOMPOSITIONでもう十分だとみんな思っている気がする(笑)。
Webでも、リニューアル後のサイトでは僕らが何をやろうとしているか、どういう方向性、思想、理念をもっているかということを説明していて、活動それぞれは各自で別ページを作るようにしています。KOMPOSITIONを核に、さまざまな活動がプロジェクトとして渦巻いて配置されていくのが成長イメージ。これまでは活動個別を見られることが多くて、プラットフォームだとかそういう組織全体のもってる側面は知られていなかったと思うので、今後はもうちょっとPRしていきたいですね。
サービスとしては、率直にいって各所からニーズのある活動をイベント的に具現化してきた面があって、独自の事業としてはまだ成り立ってないと思います。事業になっていないから、まだサービスと言えないですね。まさにサービスそのもの、事業そのものを改めて自社で作る段階にきていると思っています。
事業っていうことはそもそもビジネスモデルがあると思うんですね。今まではたとえば『LEGALWALL』だったら、誰かが壁というキャンバスを見つけることから始まるわけですよね?
正確に言うと今までは始まっていませんでした。ゼロの状態から壁を見つけて、そこにお金の算段をつけて、というのがあまりにも大変でやれなかった。面白い活動ということで、行政や企業から依頼があってから対応していた受身のところがある。それでLEGALWALLに関していうと、事業化のとっかかり、ビジネスモデルのアルファ版みたいなものは今まさに動き出してます。今はこれがどこまで成り立つのか、どこでベータ版や完成版を作って世に出そうとするかと様子をみています。今さらかとビックリされるかもしれないけど、ちょうど今は事業づくり・モデルづくりにチャレンジしていて、すごく大切な時期を迎えてますね。
KOMPOSITIONのターゲットを生活者だとすると多分しぼりこみづらいですよね。たとえば千歳烏山(後日配信)だったらそれは住民ですよね。サービスを買ってくれる人は誰かというのと、そもそもKOMPOSITIONのサービスは何かっていうところをもう一回聞いてみたいなと思います。
事業主がやりたいことと、サービスが別になってることってありますよね。事業主としては不本意だけど、経済的にそうするほうが良いという状況。実際、もともと僕らが本質的にサービスだと思うことと、これまでサービスとしてきたものって違うんです。僕らの状況も変わってきているし、商品として提供したいアイデアも変わってきています。例えばLEGALWALLで、企業スポンサーが大前提だったときは、やっぱり企業へのサービスなんです。PRとかマーケティングとかのサポートとして、使ってくださいということです。
もちろんこれからも企業は大切なパートナーですけれど、それだけではこの先の成長ができないと思っているんです。誰に向けてのサービスかというと、本質はやはり表現者に向けてなんですね。ただ、僕らが応援したい人たちはだいたい、才能があるのに金がなくて困っているわけで、現状で彼らに買ってもらうことは期待できない。だから他のステークホルダーに買ってもらう必要があるわけですが、企業スポンサーから一歩本質に近づいて、今はビルオーナーやアート支援に興味のある個人に買ってもらう方向を模索しています。壁のマネジメント、メンテナンスも含んだ運営をビル管理のサービスとして買ってもらう、もしくは壁から生まれる作品やアーティストへの期待をアートファンから寄付として寄せてもらうということです。
これを会社の経営者が言っていたら、甘いと言われると思うんです。でも現時点では、この辺がビジネスモデルとしての折り合いどころだと感じています。ある種、ビル管理であれ寄付であれ、期待やロマンを買っていただくわけです。でも簡単にはビジネスにならないことに挑むためにNPOがあるわけで、そろそろNPOらしくやっていくというのは自分としても納得いくことなんです。これからは情報公開にも力を入れ、助成金や寄付なども依頼をしていこうと思っています。今まで、寄付も助成もほとんどもらわない、変なNPOだったんですよ(笑)。
最終的にはLEGALWALLなら、世の人々に壁画を依頼したり絵を買う習慣がもっと根付いてくれば、新しいサービス展開をすることになると思います。海外には本当に絵が好きで、かつ個人投資目的の意味も込めて絵を買う人がいて、日本人よりはるかに絵を買う感覚があります。日本もいずれそうなりますから、僕らなりに準備をしておくということです。それをちょっと先取りしすぎたのが2007年の画廊運営ですね。それはそれで、実験として意義があったと思っています。
LEGALWALL以外についても、まあ万事、似たような状況ですね。今の時点ではLEGALWALLが先行して今後にむけての動きをしていて、他の活動も同じような認識で、なるべくスピードをあげて事業化をすすめていくつもりです。
寺井氏のインタビュー(第四号)は以上になります。
次号も引き続きNPOKOMPOSITION代表、寺井元一氏のインタビューをお送り致します。
みなさま、お見逃しなく!!
*読者の皆様へ*
こんにちは!!駒崎さんの回よりインタビュー、文章の作成、編集を主に担当している田中 聡と申します。
昨年よりTETOLでのメルマガ事業に従事しています。社会起業家たちが持つ圧倒的なパワーや空気を、少しでも皆様に伝えられればと思います。今後もメルマガでは魅力あふれる社会起業家たちを紹介していく予定なので、楽しみにしていてください!
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NPO法人KOMPOSITION代表理事
寺井 元一 Terai Motokazu
- 1977年9月13日
- 兵庫県生まれ
- 1984年
- 父親の転勤で沖縄県那覇市に転居。3年間過ごす。網膜剥離発症。
- 1990年
- 私立灘中学に入学。落ちこぼれる。アトピー性皮膚炎発症。
- 1995年
- 阪神大震災に被災。ゼロから勉強をはじめる。
- 1996年
- 私立灘高校を卒業。1年間の浪人生活に突入。
- 1997年
- 早稲田大学政経学部に入学。学生時代3年間、代議士事務所で学生スタッフとして従事。WEBの企画立案などに関わる。
- 2001年
- 早稲田大学院政治学科に入学。若者の価値観と投票行動の関連を研究する。 同年、学生団体kompositionを設立。
- 2002年
- NPO法人komposition-standard(後にKOMPOSITIONに改称)を設立。
- 2004年
- 早稲田大学院政治学科を中退。のち、現在に至る。
- 詳しくは→
【NPOKOMPOSITIONホームページ】http://komposition.org/
【ALLDAY】http://alldaymag.com/
【LEGALWALL】http://legalwall.komposition.org/
【寺井氏個人Blog】http://d.hatena.ne.jp/teraiman/
本村拓人(もとむら たくと)
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壮大な野心を藩の運命に賭して幕末の混乱期を生きた英傑の生涯!
幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。藩の持て余し者でもあったこの男、河井継之助は、いくつかの塾に学びながら、詩文、洋学など単なる知識を得るための勉学は一切せず、歴史や世界の動きなど、ものごとの原理を知ろうと努めるのであった。さらに、江戸の学問にあきたらなくなった河井は、備中松山の藩財政を立て直した山田方谷のもとへ留学するため旅に出る。

